恋のライバルは…まさかの『植物』!? 「愛なき世界」三浦しをん/著
こんにちは、づなです!
みなさんは恋をしたことがありますか?
ましてや恋のライバルが植物だったことはありますか?
今回、紹介する本は『植物に恋する女性』に惚れてしまった青年のお話
愛なき世界
愛なき世界
著者 三浦しをん
2018年9月10日発行
発行元 中央公論新社
内容
ー 恋のライバルが『人類』だけとは限らない ー
幼い頃から料理が大好きな藤丸陽太は、町の食堂円福亭で働きながら、研鑽を重ねる忙しい毎日を送る
そんなある日、藤丸は常連客の本村紗英に恋をする
しかし本村の恋する相手はなんと…植物だった!
本村は三度の飯よりシロイヌナズナが大好き
果たして藤丸の恋は報われるのか?
シロイヌナズナに勝つことができるのか!?
(無料のシロイヌナズナの写真を入手できなかったのでリンクで対応)
シロイヌナズナは植物として初めて全ゲノムの解読が終了したモデル生物
室内での栽培が容易なことや多数の種子が採取できること、一世代が2ヶ月と短いこと等の理由からモデル生物としての利点を多く含んでおり、研究材料として利用しやすい
今作では本村の最愛の植物であり藤丸にとって最大の恋敵である
感想
いやー、面白かったですね
藤丸の熱い恋心や本村の異常なまでのシロイヌナズナ愛
みなさんは「モデル生物」と聞いて違和感はありませんでしたか?
植物なのに生物?と
『生物』とは動物や植物、菌類などを総称した呼び方です
『生物』と聞くと動物を連想しがちですよね
実はキノコって植物よりも動物に近いそうですよ
そういった雑学を知れるのも本書の良いところです
恋や愛という概念がなくとも繁殖を続ける植物を前に「私は心まで植物になってしまったのだろうか?」と考える本村
それでも本村に恋し続ける藤丸
こっちまで藤丸の立場になって色々考えてしまう作品でした
そんな『愛なき世界』で2人がどうなるのか
ぜひ、ご一読ください